DX戦略

シャープファイナンスのDX戦略


シャープファイナンスが目指すDX

コロナ禍における行動制限にて、従業員の働き方改革やデジタルシフトは急速に進みました。制限解除後の社会においても元に戻ることはなく、そのシフトは今も勢いを増しています。
昨今は生成AIの進歩も目覚ましく、かつては映画の中でしか見ることが無かった出来事が実現可能となり、ビジネスシーンにおいても、活用は「試す」から「前提」に向かい始め、企業のDXへの取り組みはますます重要度が高まっています。

当社は芙蓉リースグループの中期計画(2022年度~2026年度)ビジョン「Fuyo Shared Value 2026 ひとの成長と対話を通じた社会課題の解決と経済価値の同時実現による持続的成長」をもとに当社独自の基本方針を『「ベンダービジネスのその先へ」日本の中小企業・クリニックのベストパートナーとしてベンダービジネスを劇的に進化させる』とし、基本方針実現のための主要施策に「DXを通じた経営インフラの高度化による業務品質・生産性の飛躍的向上」を掲げ全社的にDXを推進します。
具体的にはデジタル技術を活用した「ビジネスモデルの変革」と「業務プロセスの変革」を継続的に実現していくことでお客さまへの付加価値提供を目指していきます。



DX戦略

1. シャープファイナンスのDX戦略

基本方針/主要施策を実現するため、DX戦略は①ベンダービジネスのデジタル化推進と②新しいビジネスやサービス創出のための社内デジタル化推進の2つを軸に展開して参ります。具体的には、以下の諸テーマに取り組みます。


戦略1
ベンダービジネスのデジタル化推進

方策①
データドリブン戦略の定着化

営業活動の成果・効果を感覚的ではなく、データに基づく把握・検証で、次の活動を考えるPDCAサイクルを高速で回すために、SFAデータ等を活用したデータドリブンの考え方を採り入れ、運用を定着させます。

方策②
電子契約システムの稼働率向上

お取引店さまやユーザーさまが紙のリース契約書等を作成・捺印、受け渡しを行う業務負担を軽減するため、2022年9月よりテスト導入を開始した電子契約システムは、2023年10月から本格運用を開始。電子契約導入店の増加に注力するとともに、利用率向上を図ることで、お取引店さま、ユーザーさま、当社の時間・労力・コストの削減を実現します。

方策③
諸変更手続きのオンライン化構想

2023年10月にお取引店さま向けサイト「イツトナLIVES」を運用開始し、営業に関する有用情報提供やユーザーさまからの各種お問合せ対応、変更手続き書面などのダウンロード機能を提供することで、簡略化を実現。今後は電話やFAX、メール等による現行のやりとりをWEBでのやりとりに一元化することを目指すとともに、ユーザーさまが直接諸変更の手続きを行える環境を検討することで、お取引店さま、ユーザーさま、当社の更なる業務効率化を実現します。

戦略2
新しいビジネスやサービス創出のための社内デジタル化推進

方策④
次世代与信システムの構想検討

中小零細企業さまとの契約が多い当社において、与信基準は経営の生命線であり、熟練したスキルを持つ社員が代々引き継ぎ、紡いできた最重要資産と言えます。しかし、その運営をいつまでも人が担うことはリスクが高く、積み上げた知見を判定ロジックに落とし込み、自動判定比率を引き上げることで、審査労力の縮小と回答時間の短縮、基準変更の即時化を実現することで、永続的な安定経営の基盤を構築します。

方策⑤
業務のデジタル化推進

社内実務は前任者からの引継ぎのまま踏襲しているものや、新たなルールや条件追加時に手作業で追加しているものも多く、見直すべきポイントは数多くあると見込んでいます。2023年には1本部のみで運用を開始し、9案件のエントリーから6案件のデジタル化を実現。2024年からは全社展開に切り替え、デジタルツールの活用にて、より効率的な働き方の実現を目指します。

方策⑥
生成AIを活用した業務効率化の企画・展開

この先ビジネスシーンにおける活用が拡大する生成AIを、適切・安全に活用するルール整備を行うとともに、フロント・ミドル・バックのいずれの部門においてもより効果的に活用できるための機能強化を検討して参ります。



DX戦略






2. DX戦略の達成度を測るための目標

上記1に記載の方策①~⑥を着実に進めていくことで、戦略1「ベンダービジネスのデジタル化推進」と戦略2「新しいビジネスやサービス創出のための社内デジタル化推進」を実現し、その結果として業務効率化によるコスト削減と新たなビジネス創出による収益力向上を図って参ります。
コスト削減及び収益力向上の達成度を測るため、中期計画最終年度(2026年度)の経営指標を以下の通り設定しています。

  • ROA 2.19%
  • 粗利経費率 43.8%
  • WEB与信申込比率 60%

3. DX戦略推進体制

当社では、組織的にDX戦略を推進するため、2021年4月にDX戦略企画部を設立し、戦略の方向性共有と具体的戦略の擦り合わせのために定期的にDX戦略会議を実施しています。
DX戦略企画部は、当社が直面する社内外の課題を抽出し、課題に関連する本社各部門と連携しながらデジタル技術を使った解決策を検討しています。DX戦略企画部の検討事項は、DX戦略会議にて経営幹部と議論し、会社としての方向付けを機動的に行う体制を構築しています。


4. DX戦略の推進に必要な人材の育成と確保について

当社では方策①~⑥の取り組みにあたり、以下の人材育成計画を定めています。
(1)データドリブン戦略実施による営業本部のデータ利活用率100%
(2)電子契約導入拡大に伴うデジタル対応担当者300名
(3)DX関連資格保有数100名


5. ITシステム・デジタル技術活用環境の整備について

当社ではレガシーシステム化している基幹システムの刷新を図るため、計画的に社内ネットワーク基盤や機動的なIT開発環境の整備を進めています。
2023年に当社独自のネットワーク基盤を構築したことにより外部システムと円滑な連結が可能となり、生産性向上を実現しました。現在は、既存の基幹システムの改善について検討を行っており、2027年を目途に基幹システムの改修を進めています。併せて、システム開発環境改善のため、開発人材の確保・育成も行って参ります。
柔軟で機動性の高い商品開発とともに、合理化・効率化による収益拡大を実現することで、よりよい環境の整備を進めて参ります。


6. 現時点でのDX戦略の推進状況

戦略については、1.シャープファイナンスのDX戦略に記載の通りですが、経営課題である「ベンダービジネスの劇的な進化」を念頭に、様々なテーマの検討を着実に推し進めています。
戦略の進捗状況としては、2022年4月にベンダービジネス推進のための基幹システムである「SPEEDⅡ.Webシステム」を、ビジネスモデル革新を目指し全面リニューアルしました。ご利用いただくお取引店さまのシステムユーザビリティに徹底的にこだわり、機能面、操作性、デザインを進化させるべくシステム開発を実施しましたが、この開発をきっかけに、将来的には「WEB完結型のコミュニケーションの実現」を目指していきたいと考えています。また、お取引さまやお客さまの契約締結手続きにおける負担を軽減すべく、2023年10月から電子契約システムの本格運用を開始しています。
社内においては、チャットボットの導入により、通達・案内・留意事項などの検索をより容易に、また動画研修や動画マニュアルの拡充にて、より能動的な学習環境の提供を進めています。DX戦略の推進状況については、今後も積極的に情報発信を行い、内外の利害関係者との情報共有を図ることで、戦略を円滑に推進して参ります。


シャープファイナンス株式会社
代表取締役社長 滝澤 正一郎